頭文字D 高橋涼介のタイピング最速理論

メーカー e-frontier
価格 4,800円
対応機種 Windows,Macintosh(ハイブリッドCD)

ローマ字入力対応

※このレビューは初期出荷バージョンで行いました。
現在出荷されているバージョンとは異なる部分が
あるかもしれません。その点にはご注意ください。

タイピング修得度 ★★★☆☆ 練習モードの右手練習と左練習は役に立つ。
この手の作品の中では練習効果は比較的高い。
ゲーム評価 ★★★☆☆ カーチェイスのムービーはプレイを盛り上げる。
ただ、それ以外に工夫がないのは残念。
システム評価 ★☆☆☆☆ 『ん』がN入力しかできないのは難点。
バグと思われる不具合多数あり。
適正レベル 初心者〜上級者。
難易度設定があるので一応初心者でもプレイ可能。
練習モードがあるので見習いにも可能かも。

(c)しげの秀一/講談社・トゥマックス・オービー企画
(c)2000 e-frontier

<概要>
2度のアニメ化もされた人気コミック「頭文字D」をモチーフにした
タイピングソフト。主にアニメのゲーム化といった感じが強く
3DCGの車同士のカーチェイスは一見の価値あり。
拓海のハチロクですべての対戦に勝利し最速の走り屋を目指します。

<システム>
オプションで3段階の難易度設定とキー入力設定が可能。
ただし、『ん』のN入力がデフォルトで変更不可。

「右手だけの練習」「左手だけの練習」はありそうで
なかったもの。そこがこのソフトの個性になっています。
本編であるバトルモードの流れを説明します。

◆本編の流れ

  1 車が走っているムービーを見せられる。
     ↓
  2 カーブにさしかかる。(ムービーストップ)
     ↓
  3 単語入力┬→ 1回入力ミス(小ダメージ)
     │  │   3の入力を続ける。
     │  ├→ 一定回数ミス(大ダメージ)
     │  │   1に戻る。
     │  └→ 時間切れ  (大ダメージ)
     │      1に戻る。
     ↓
  4 入力成功(ノーダメージ)
     ↓
    1に戻る。最後まで行くとクリア。

格闘ゲームではないので相手のライフゲージはなく、
自分のライフゲージ(?)しかありません。
相手を倒すのではなく、いかにダメージを受けないで
難所を乗り切るかというゲーム内容。

◆ステージ紹介

<練習モード>
○最速理論その1 左手練習
  左手だけの入力練習です。
○最速理論その2 右手練習
  右手だけの練習です
○最速理論まとめ 両手練習
  今までのまとめの総合練習です。

○ステージ1 FD3S    高橋啓介
  3〜5文字の短文入力中心。

○ステージ2 R32GTR   中里毅
  7〜9文字の短文入力中心。

○ステージ3 EG6    庄司慎吾
  左手入力のみで文字入力。

○ステージ4 SILEIGHTY 真子、沙雪
  10〜15文字の長文入力中心。

○ステージ5 FC3S    高橋涼介
  20文字以上の長文入力中心。

インストーラはついておらず、CD-ROMから直接実行するように
なっています。(ハードディスクにコピーすればCD-ROMなしでも
プレイ可能)
メーカーホームページにネットランキングあり。

<感想>
3DCGのムービーとユーロサウンドでノリノリの
タイピングが楽しめます……が
『ん』がNNではないのはいらつく、いつ『ん』が
出てくるかわからないので入力のスピードにも乗れない。
ミスが怖くて本気で楽しめない点は残念。
さらにバグや不具合が多すぎです。

◆いろいろな不具合
『技術』と書いて“テクニック”と打たせたり、
『アンダ?』と書いて“アンダー”と打たせたり、
『小さい』なのに“しいさい”と打たせたり、
漢数字の『二』なのに“2”を打たせるなど、詰めが甘い。
読みや文字の間違いは論外ですねバグだから。

さらに、起動時にエラーが発生して起動できない不具合も
存在します。実際私のプレイ中何度も遭遇しました。

【メーカーサイトにある不具合のFAQ】
http://www.e-frontier.co.jp/support/inidwin.html

「動かない」「強制終了する」というのがいくつもある。
致命的なエラーが発生するバグを紹介していて
それを解決していないというすごいFAQ。(FAQになってない)
私は発売日に購入したので最もバグの多いバージョンだと
思われますがこのFAQを見る限り、現在も出荷されている
ver1.01でも不具合は解消されていないようです。

面白いけどとにかく良く落ちる、というのがクリアするまで
やってみた印象。

システムが完全なら十分佳作に値したと思うんですが
バグやシステム不備はそれ以前の問題です。
※“落ちる”と言ってもタイトル画面やメニューを
 選択した直後に発生するだけで、ゲームが始まって
 しまえばプレイ中に落ちることはないので
 実はさほど問題ありません。(心臓に悪いけど)

ちなみにステージ5(高橋涼介)は「激打2」のラオウ以上に
難しいです。クリアするのには苦労した…

なぜ『ん』の強制「N入力」がダメなのか
ローマ字入力で『ん』を入力するとき、単独の場合はNNですが
続けて打つ場合にはNでも通ります。
しかし、例外的に『ん』の後にナ行を打つときはNNと重ねて
打たないといけません。

例:
  「タイピング」をNN入力すると

    TAIPINNGU

  N入力すると

    TAIPINGU

  となります。

  ただし、んの後にナ行が入った「かんな」だと
  N入力、NN入力の両方とも

    KANNNA

  になります。
  なぜなら、N入力の方法だと

    KANNA

  「かんあ」になってしまうからです。

つまり、んを入力する際には後の文字がナ行でないかを
チェックしないと正確な入力ができないのです。
もちろんN入力に慣れた人なら問題ありませんが、
そうでない人には正確な入力を妨げることになります。
N1回分の打鍵数が減るので速くなりそうな気がしますが
常にNNの方に慣れていた方が最終的には速くなります。
(ちなみにOzawa-Kenの初期バージョンはN入力強制でしたが
 現バージョンの1.02ではNNに統一されました)

<総評>
惜しい。バグゲーと切り捨てることはたやすいですが
そうしてしまうのは惜しい作品です。
右手入力や左手入力など新しい要素もありましたし、
アニメの雰囲気をムービーやユーロビートの音楽で再現して
いるのでプレイしていて楽しかったのは確かです。


『結論』
いきなりプログラムを強制終了されても気にならない人で
『ん』のN入力をしている人か、『ん』のN入力を我慢
できる人か、頭文字Dファンにはおすすめ。
(広いんだか狭いんだかよく分からない例え)
要約すると
アニメまたは原作のファンか、物好きなタイピング好き
におすすめ
ということです。
でも、それ以外の人にはちょっと…
バグや『ん』のN入力を修正したバージョンと
この教訓を生かして次回作に期待しましょう。

<蛇足>
ユーザー登録し忘れていたので私は1.01を持ってません。
今日ユーザー登録したのでそのうち届く予定。
どの程度バグがとれているかわかりませんが、届き次第
もう一度簡易レビューをしてみる予定です。

プレイ時間6時間 レビュー日 2000/11/21

プラクティス選択画面。片手運転は危ないよ。 バトルモード選択画面。ステージ5の高橋涼介だけ別格、
クリアするまでにFC3Sのところを何回クリックしたことか…
アニメ版と同じようにこんなふうに走ります。
ちょっとかっこいい。
プログラム起動時に4回に1回ぐらい発生するエラー(Windows2000の場合のメッセージ)この後は「OK」を押しても
「キャンセル」を押してもプログラムは強制終了することに変わりありません。
95/98だと少しメッセージが違いますがやっぱり落ちます。エラーメッセージを紹介するとは思わなかったな…

(c)しげの秀一/講談社・トゥマックス・オービー企画
(c)2000 e-frontier

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